5.西高東低(1)

西高東低(1)

さっそくですが、競馬界の西高東低はご存知ですか?

昔は関西馬が所属する栗東トレーニングセンターにしか
坂路調教のコースがなく圧倒的に関西所属の馬が強かった時がありました。

現在は関東馬が所属する美浦トレーニングセンターにも
坂路調教のコースは設置されたが、勾配区間の規模やコースの線型については
栗東の坂路コースに全く劣っているのが現状です。

さらにコース拡張は土地利用面の問題から限界で事実上不可能であるとされるため
未だに栗東トレセンとの差は埋まらず成績面で遅れを取っている状態です。

他にも様々な理由が重なり現在の「西高東低」が築かれたのでしょうが、
ここでは関西馬が関東馬より強いことが分かってもらえれば結構です。

競馬には獲得賞金によってレースのステージが決められており
大まかには以下の通りです。

新馬戦⇒未勝利戦⇒500万以下条件戦⇒1000万以下条件戦
⇒1600万以下条件戦⇒OPEN特別戦⇒GⅢ⇒GⅡ⇒GⅠ

上記の中で関西馬が関東開催に遠征をする場合、
一番活躍するのが未勝利戦です。

未勝利戦というのは、まず勝たないといけません。
2着ではダメなのです。

1着になることが重要なのです。

1勝した馬はその後2着が続いた場合でも
獲得賞金が多かったり、ある条件を満たしたり、
クジ運が良ければ色々なステージのレースに出走することも可能です。

しかし未勝利の馬はいつまで経っても未勝利戦のままなのです。

そのことを考えると、まずは1勝しないと始まらない関西の若駒たちが
関東馬の多いレベルの低いレースで1勝をいただこうと考えるのは
当然の流れですね。

輸送の難点もありますが、東に遠征するのは納得できると思います。

では過去2年間の関西馬の関東開催未勝利戦への遠征成績です。
ここでは関東開催は新潟・福島・東京・中山の4開催場と定義します。

2008年
77-76-52/729 勝率10.6% 連対率21.0% 3着内率28.1%
単勝回収率 108% 複勝回収率 94%

2009年
88-72-75/825 勝率10.7% 連対率19.4% 3着内率28.5%
単勝回収率 104% 複勝回収率 88%

多少ですが、単勝回収率が100%を上回りましたね。
ここからもう一捻りすればもっと有用なものになります。

それは次回お話しますね。