ダートから芝へチェンジする馬を狙って回収率157%!
「一年はダービーに始まりダービーに終わる」と言われるくらい、
日本の競馬界にとって、ダービーは特別なモノ。
馬主、生産牧場、調教師、騎手と、
誰もがダービー制覇を目指して日々切磋琢磨していると言って良いでしょう。
日本競馬の悲願である凱旋門賞制覇に似た印象もあります。
そんなダービー制覇のために、
明らかにダート向きの馬でも「まずは芝で」という、
馬主の声に押されて芝デビュー。
適性がまったくない場合は、2戦目からダートへ。
少し芝でも行けそうな気配だったら、
コースや距離を少し変えてみて、2戦目も芝と望みをつなぐ。
しかし2戦目も敗戦なら、3戦目から適合するダート戦へ。
こんな光景が、毎年のように見られます。
ダート適性の方が高いヘニーヒューズ産駒で、
朝日杯フューチュリティSを制したアジアエクスプレスのような馬がいるから、
馬主サイドもあわよくばダービー制覇を。
と、ダート馬でも夢を抱いてしまうのも分かる気がしますけどね。
この「芝→ダート」のパターンは王道なので、
ここを狙い撃ちにする馬券術は、それなりに存在すると思います。
では反対に「ダート→芝」のパターンはどうなのか?
まずダートでデビューした馬の中には、
本来は芝馬のはずなのに、脚元に不安があるからダートから。
他にもネオユニヴァースやキンシャサノキセキのように、
お父さんは芝活躍馬なのに、子供はダートでも意外と走る。
というようなケースがあるので、
とりあえずダートでデビューという馬もいます。
これは調教師などの関係者が、
その馬も馬場適性を上手く見抜けなかったことが原因ですが、
体型や走り方だけでは分からない、走ってみないとという部分もあるのでしょう。
さてそのマイナーなイメージの「ダート→芝」のパターンですが、
あまり注目されていないこともあって、実は狙い目だったりします。
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1戦 | 8- 17- 21- 638/ 684 | 1.2% | 3.7% | 6.7% | 20 | 58 |
2戦 | 16- 23- 32- 875/ 946 | 1.7% | 4.1% | 7.5% | 21 | 49 |
3戦 | 25- 35- 32- 808/ 900 | 2.8% | 6.7% | 10.2% | 41 | 69 |
4戦 | 25- 24- 29- 673/ 751 | 3.3% | 6.5% | 10.4% | 101 | 77 |
5戦 | 17- 21- 22- 492/ 552 | 3.1% | 6.9% | 10.9% | 83 | 53 |
6戦 | 22- 17- 19- 408/ 466 | 4.7% | 8.4% | 12.4% | 217 | 88 |
7戦 | 13- 13- 11- 329/ 366 | 3.6% | 7.1% | 10.1% | 83 | 54 |
8戦 | 11- 13- 13- 278/ 315 | 3.5% | 7.6% | 11.7% | 61 | 68 |
9戦 | 9- 10- 11- 241/ 271 | 3.3% | 7.0% | 11.1% | 22 | 58 |
10戦 | 7- 14- 12- 231/ 264 | 2.7% | 8.0% | 12.5% | 86 | 93 |
これはダートから芝へ転じた初戦のキャリ別の成績です。
データは2017年~2020年前半くらいの3年間のモノを使用。
キャリア1戦の馬が、
2戦目に初めて芝に挑戦した場合の成績が「1戦」の部分です。
同じくキャリア2戦の馬が、
3戦目に初めて芝に挑戦した場合の成績が「2戦」の部分ということ。
1~3戦のキャリアで芝に転じた場合の成績がイマイチですが、
これには理由があります。
それはダートで惨敗した馬が、活路を求めて芝に転じるから。
もともと走るのが遅い馬で、
芝に比べてメンバーレベルの低いダート戦でデビュー。
14着と大敗して、こりゃダメだ。
ということで、試しに芝を使ってみよう。
もしかすると奇跡が起きるかもしれない。
と思って芝のレースに出走するも15着と惨敗。
あと条件を変えて2~3戦くらい走らせてみて、
ダメだったら引退させよう。
という感じでしょう。
しかしキャリア4戦目以降にダートから芝に転じた馬は、
それまでもダートでそこそこ走れた。
例えばダートで2戦連続3着と、上位争いはするけど終いが甘くなる。
つまりは勝ち切れない。
でもダートでそこそこ勝ち負けをしている以上、
なかなか芝へのシフトチェンジは、調教師の一存はできない。
という感じだと思います。
ダートでそこそこ走れているということは、
基本的な競走能力は高いので、芝に転じたら一気に開花する可能性大。
ですよね。
そこで先ほどのデータを見返して欲しいのですが、
キャリア4戦目から成績が上昇して、6~7戦目あたりがピークとなります。
このキャリア4~7戦目の部分を抜き出して、
前走の着順別の成績を見てみましょう。
前確定着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
前走1着 | 8- 8- 6- 190/ 212 | 3.8% | 7.5% | 10.4% | 169 | 66 |
前走2着 | 2- 4- 3- 25/ 34 | 5.9% | 17.6% | 26.5% | 35 | 73 |
前走3着 | 9- 4- 5- 37/ 55 | 16.4% | 23.6% | 32.7% | 344 | 123 |
前走4着 | 5- 5- 2- 39/ 51 | 9.8% | 19.6% | 23.5% | 236 | 100 |
前走5着 | 8- 7- 10- 72/ 97 | 8.2% | 15.5% | 25.8% | 112 | 95 |
前走6~9着 | 23- 22- 24- 481/ 550 | 4.2% | 8.2% | 12.5% | 141 | 78 |
前走10着~ | 22- 25- 31-1052/1130 | 1.9% | 4.2% | 6.9% | 86 | 59 |
前走1着だった馬は、今回昇級戦ということになります。
ダートで未勝利を勝ち上がったけど、
もう1回、芝に挑戦してみよう!という馬がここに混じっています。
だから単勝回収率が100%を超えていても、成績面はイマイチ。
ここでは除外します。
また前走10着以下に惨敗してるような馬は、
先ほども言ったように、そもそも競走能力が低い馬である可能性が高い。
ということで除外。
2~9着と、ダートでそこそこ走っていた馬をピックアップします。
馬場状態 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
全 | 47- 42- 44-654/787 | 6.0% | 11.3% | 16.9% | 153 | 85 |
するとこのように単勝がプラス回収になります。
さらに年単位で成績を見てみましょう。
年・年月 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 6- 6- 6- 69/ 87 | 6.9% | 13.8% | 20.7% | 91 | 105 |
2019年 | 15- 12- 14-198/239 | 6.3% | 11.3% | 17.2% | 216 | 82 |
2018年 | 15- 14- 10-177/216 | 6.9% | 13.4% | 18.1% | 166 | 102 |
2017年 | 11- 10- 14-210/245 | 4.5% | 8.6% | 14.3% | 102 | 64 |
多少のムラはありますが、まずまずの成績だと思います。
馬券術を組む場合は、
なぜそうなるのか?という部分を掘り下げていくと良いでしょう。
今回の場合は、なぜ「ダートから芝へ」転じる馬がいるのか?
という疑問からスタートしています。
そしてその理由を紐解いていくことで、
狙い目になる部分を見つけるという流れですね。
ぜひ参考にしてください。
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